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美ら島からの染と織 ― 色と文様のマジック

■高度な染織文化
【会期終了】 日本列島の南端から台湾にかけて、点のように連なる琉球諸島。明治時代以前には琉球王国として栄え、周辺の地域との交流から豊かな文化が実りました。紅型をはじめ、同地で発達した高度な染織文化を紹介する展覧会が、渋谷区立松濤美術館で開催中です。
尚巴志王(しょう はし おう)により、1429年に成立した琉球王国。明治政府による1879年の琉球処分まで、琉球王国はちょうど450年間続きました。現在でも沖縄に残る多くの工芸技術は、この時代に根付いたものです。

琉球王国は、中国(明・清)と冊封関係にあるとともに、薩摩を介して日本にも使者を送っていました。沖縄の特徴的な染織は、中国と日本、さらに東南アジアや朝鮮など、東アジアの交易の中で育まれたといえます。

展覧会は5章構成。第1章は、沖縄を代表する染物の技法「紅型」です。

明るく華やかな色使いで知られる紅型。原色の組み合わせは、日本の他の地域の織物ではあまり見られません。

紅型で使用される文様には、桜や霞など日本(大和)的なものと、鳳凰や龍など中国的なものが見られます。ここにも沖縄の地域的な特性が現れています。

展覧会では、沖縄県初の国宝「琉球国王尚家関係資料」に含まれる紅型の衣裳も展示されています。手間がかかる意匠は、王族ならではです。



第2章は「沖縄の織物」。沖縄は湿潤亜熱帯に属するため、芭蕉など特徴的な繊維の素材も用いられます。

同じ展示室で、第3章より先に紹介されているのが、第4章「沖縄染織の道具」。紅型の型紙は、柿渋を塗った奉書紙(ほうしょがみ)という和紙。型紙を彫る道具も、工房で手作りされます。

2階の展示室では、貴重な衣裳を露出展示しています。美しい色と文様を、至近距離で楽しめます。

第3章は「多彩な染織品の数々-着物以外の染織品」。ウチェキー(風呂敷)は包む、掛ける布。チリデーウスーヤーは盆にのせた品物の覆い布。ティサージは手拭ですが、航海のお守りや贈り物にも使われていました。

最後の第5章は「伝統を伝えて-現代の染織品」。重要無形文化財の保持者(人間国宝)など、現代の作家が手掛けた作品は、復元と創作の2種。復元は近世琉球期の染織品や、欧米の博物館に収集された染織品など。創作の作品も、伝統的な素材や技法が用いられています。

沖縄をテーマにした展覧会はしばしば開催されますが、全ての展示品が制作地の沖縄からの出陳というのは、珍しい試みです。巡回はせずに、渋谷区立松濤美術館だけでの開催です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年8月9日 ]

※会期中に展示替えがあります。

フランス人がときめいた日本の美術館フランス人がときめいた日本の美術館

ソフィー・リチャード(著)

集英社インターナショナル
¥ 2,376

 
会場渋谷区立松濤美術館
開催期間2019年8月10日(土)~9月23日(月・祝)
所在地 東京都渋谷区松濤2-14-14
TEL : 03-3465-9421
HP : https://shoto-museum.jp/
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