「クマのプーさん展」が大阪・天王寺のあべのハルカス美術館で開催されています。
プーさんの物語は、約90年前のイギリスで生まれました。
お話を書いたのは、劇作家・詩人として活躍していたA.A.ミルン。
彼が、幼い息子のために書いた物語に、E.H.シェパードという挿絵画家がイラストを描きました。
世界中で親しまれている物語を、原画をもとにたどる展覧会です。
展示は5章からなります。
第1章『さて、お話ははじまります』
お話に登場するプーさんや仲間たちは、作者ミルンの息子が持っていたぬいぐるみがモデルとなっています。
プーさん、ロバのイーヨー、コブタ…。モデルとなったぬいぐるみの複製が展示されています。
それぞれのキャラクターの性格は、ぬいぐるみの姿から発想されたのだそうです。
写真の左上に居るのはロバのイーヨーですが、首をうなだれた姿から悲観的な性格に…というように。
第2章『お話は、どうかな?』では、風船で空を飛ぶプーさんなど、物語の印象的なシーンが鉛筆による原画で紹介されています。
第3章『物語る術(わざ)』
この絵も鉛筆による原画です。
左のほうに写っているのは、コブタ。プーさんの親友です。
タンポポの綿毛を吹いて、何かを占っています。
下の絵も鉛筆による原画です。
「ながいあいだ、三人はだまって、下を流れてゆく川をながめていました」、『プー横丁にたった家』第6章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、ジェームス・デュボース・コレクション © The Shepard Trust
橋から川をのぞきこむクリストファー・ロビンとプーさん、コブタ。
棒投げ遊びをしていた川をながめているシーンです。
物語の舞台は、イギリス南東部にある実在の森がモデルになっています。
この橋も実在していて、今も多くのプーさんファンが訪れるそうです。
この橋と川は、会場の中でも再現されています。
川に棒切れのようなものが現れ、流れていきます。
物語の舞台に見立てた会場で、遊びながらプーさんの世界を体験できるよう工夫されています。
第4章『プー、本になる』では、印刷され、本になっていくプーさんが紹介されています。
写真の左側に写っているのは、プーさんの本の初版。
右側は、当時印刷するときに使われていた金属製の版の複製です。
コンピュータを使った現代の印刷にはない味わいがあったようです。
もとは白黒だったプーさんですが、カラー化の要望にこたえ、挿絵を描いたシェパード自身が色を付けました。
「枝には、ハチミツのつぼが10ならんでいて、そのまんなかに、プーが…」、『クマのプーさん』第9章、 E.H.シェパード、ラインブロックプリント・手彩色、1970年 英国エグモント社所蔵 © E.H. Shepard colouring 1970 and 1973 © Ernest H. Shepard and Egmont UK Limited
雨の日、プーさんがハチミツの入ったつぼを雨宿りさせるシーンです。
プーさんの丸っこい背中。思わず手で触りたくなります。
第5章『世界中で愛されているクマ』
世界の人気者になったプーさん。
ここでは、さまざまな国のプーさんが紹介されています。
このような(アライグマのような)プーさんが、木から落っこちたりしています。
ロシアのプーさんだそうです。
ぬくもりのある絵とお話がひとつになったプーさんの世界。
展示を見ていると、作者のミルンと挿絵を描いたシェパードが、どれほど丁寧にその世界を作りあげていったかが伝わってきます。
ちびっこには、クマのいる広い所で遊びまわった記憶が残りそうな展覧会。
展示のあと、プーさんの絵本を読めるコーナーも用意されています。
会場 | あべのハルカス美術館 |
開催期間 | 2019年4月27日(土)~2019年6月30日(日) |
休館日 | 5月20日、27日の各月曜日 |
開館時間 | 火~金:10時~20時、月土日祝:10時~18時(入館は各閉館の30分前まで) |
所在地 | 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 |
06-4399-9050 |
HP : https://wp2019.jp/ |
料金 | 一般 1,500円、大学・高校生 1,100円 、中学・小学生 500円 |
展覧会詳細へ |
「クマのプーさん展」 詳細情報 |
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tomokoy
京阪神を中心に、気になる展示をぷらぷら見に出かけています。
「こんな見方も有りか」という感じでご覧いただければと思います。
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